はじめに: お金の知識が“散らばる”理由
50~60代になって直面するこんな疑問──
- 子どもの教育費をどう捻出する?
- 住宅ローンは一括返済すべきか、投資と併用したほうがいいのか?
- 生命保険は費用負担が重いが、本当に解約していいのか?
- 親の介護や相続手続きはどう進めればいい?
- 年金受給額はいくらか、老後資金はどう設計すれば安心か?
- 相続した不動産の活用法や税金対策は?
これらはいずれも、税制・相続・投資・不動産など複数の分野が複雑に絡み合うテーマです。断片的にネットで情報を集めるだけでは、最適な判断には届きません。
本当に大切なのは、「なぜこの制度や仕組みになっているのか」を理解し、自分の状況に合わせて総合的に判断できる力です。FP(ファイナンシャルプランナー)試験で学ぶ知識はまさにこの“土台”を築いてくれます。
この前編で学べることは:
- FP資格で得られる“お金の教養”とは何か
- 50~60代に欠かせないマネー知識の全体像
- FP資格が示す「知識保証」の価値
後半では、私自身の受験体験とCBT試験攻略法をお伝えします。まずは前編で、散らばる知識を一冊に集める感覚を味わってください。
第1章:FP試験がカバーする6分野の全体像
そもそもライフプランナーとは?
ライフプランナー(FP技能士)は、個人の人生設計に基づき、税制・保険・投資などの知識で収支や資産運用をトータルサポートする専門家です。
- 正式名称
ファイナンシャル・プランニング技能士 - 認定・試験実施機関
- 一般社団法人金融財政事情研究会(きんざい)
- 特定非営利活動法人日本FP協会
- 等級構成と合格者数
3級・2級・1級の三段階。2025年3月時点の累計合格者は約170万人で、日本人の約100人に1人がFP資格を取得しています。
FPで学べる6分野
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
なぜ中高年世代にマッチするのか
50~60代は、次のような課題に直面します。
- 親の介護費用や有料老人ホームの資金設計。
- 自分の老後資金を年金と投資でどれだけまかなえるか。
- 保険の見直しと公的保障の使い分け。
- ふるさと納税や確定申告など税務手続き。
- 実家不動産の評価と活用方法。
- 親族間の相続・事業承継。
これらは税制・投資・不動産・相続など複数分野が複雑に絡み合うテーマです。FP資格で学ぶ知識は、この全体像を体系的に理解し、自分の状況に合わせて最適に判断する力を養います。
第2章.50代・60代に必要なマネー教養とは
退職後の収入設計
年金と年収のギャップ
- 現役時の年収中央値:360万円
- 65歳以降の公的年金平均:240万円
- 定年後の支出減少率:約9.6%
360万円 × (1 − 0.096) = 325万円 240万円 − 325万円 = ▲85万円
定年後は支出が減っても、年間約85万円の不足が生じます。このまま再就職をめざすと、高齢者向けの肉体労働しか選択肢がないケースが少なくありません。
FPが示す「労働以外」の選択肢
- 投資でインフレ対策・資産延命
- インデックスの複利投資 と計画的な資産取り崩し
- 不動産投資で家賃収入を確保
- 相続・贈与による節税スキーム
- iDeCo・NISAなど税制優遇の活用
税金・社会保険は自分で管理
- 退職後は自身での確定申告が必要
- 住民税は一括徴収される場合あり~定年最終月の給与がすべて飛ぶことも。
- 社会保険料は全額自己負担~会社員時代は労使折半。定年後は倍額になる。
給与天引き・年末調整に慣れていると、これらの手続きや負担増が大きな「サプライズ」となり、老後設計を狂わせます。
保険の見直しポイント
- 子どもが独立後は生命保険の解約・保障見直しを検討
- 貯蓄型保険の予定利率は低い場合が多く、自分で投資したほうが効率的
- 高額医療費制度や付加給付など公的保障を組み合わせて、医療保険を最適化
資産運用の基本
- 「貯金だけ」ではインフレに負ける
- 株式・債券などの特徴を理解し、リスクとリターンを分散
- 自分に合う運用スタイルを学ぶことで、手数料の高い商品を避けられる
相続・事業承継の基礎知識
- 相続の発生件数における課税率:改正後は約9.9%
- 遺産分割の裁判所新受件数:18,066件(令和5年度)
- 事前に遺言書や生前贈与を準備し、家族間のトラブルを未然に防止
FPの学びは、これらすべてのテーマを体系的に理解させ、「働き続ける以外」の安心な老後設計を可能にします。
第3章:資格保有者に求められる信頼性と実践力
多くの人は FP を「税金や投資、保険に詳しく、相談すれば最適な提案をしてくれる専門家」と期待します。一方で「無料相談の後に保険を勧められるだけ」というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし FP 技能士は下記のように位置づけられる資格です。
- 一般家庭向けの総合的アドバイス
税理士や弁護士のような法的業務は行えないものの、6分野を体系的に学び、家計管理や資産運用の基本を幅広くサポート - 超富裕層ではなく“普通の人のため”
高額資産のコンサルティングではなく、子育て・介護・老後などのライフイベントに即したアドバイスが得意 - マネーリテラシー向上が目的の受験者多数
日本FP協会の調査によると、FP2級受験者の約8割が「家計管理や人生設計のため」「幅広い金融知識の習得のため」に合格を目指しています(出典:FPキャンプ「24年5月FP2級試験 受講生アンケート結果」)。
学びを自分と社会に還元する
FP の知識は「聞くだけ」ではなく、自分で試し、自分の家計や発信に生かしてこそ価値があります。SNS やネット上には根拠の薄い情報や不安を煽る記事も多いですが、FP の視点で「なぜその結論に至るのか」を検証すれば、誤った判断を避けられます。
おわりに&次回予告
📢 次週月曜日に【後編】として『FP3級受験体験記』をお届けします。内容は:
- 効率的な学習方法と時間配分
- 成果を上げた教材・勉強法/失敗したポイント
- 2024年導入のCBT方式攻略法
- 試験結果と振り返り
定年後の準備は、第二の人生へのプレゼント。さあ、一緒に学びを始めましょう!

定年準備中の64歳サラリーマン。
実体験をもとに、定年後のお金・健康・暮らしについて発信しています。 同じ立場の方が、少し楽になるヒントを届けたい。


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