サラリーマンを長年やっていると、たまに”定年退職後の自分はどうなっているか?”不安に思いませんか?会社員生活にどっぷり浸っていると身の回りにいるのは同じ立場の同僚ばかり。どうしたらいいのか聞きたくても、定年退職された先輩たちは、自分の前からひっそりと去っていくので相談のしようがない。そしてまあ何とかなるさと心の底に押し込めてまた毎日が過ぎてゆく。
私も定年後について何も考えてきませんでした。あと定年退職まで5年と迫った60歳のある日、会社から”確定拠出年金への拠出を終了します”という通知をもらい、自分には会社員生活が最大であと5年しかないことを自覚しました。
それを機に不安解消のため、定年後に向けて自分はどう準備したらいいのだろうかとあれこれ調べ始めました。Amazon Audibleでお金、老後、人生論などについて1年間で360冊以上、その後、YouTube3000本以上を見て試行錯誤しながらなるべく自分が将来、幸せになりそうな準備を実践してきました。
- 【本日のブログを読んでいただくメリット】 われわれは親やテレビなど子ども時代に植え付けられた行動価値基準を無意識のうちに行動に移し、お金、仕事、生活について判断を繰り返しています。それを疑ってみる事が、幸せな定年後の準備につながるという事がわかります。
50~60代が感じる定年後の不安とは何か?
私たちが考える定年退職後の不安とは、主に以下のようなものではないでしょうか?
1.年金問題。年金は、下の世代が納めるお金を年金受給者が受け取るもの。少子高齢化が急速に進んでいる日本では支え手の若者が減り、受け手の老人が増えていくと基金が破綻して、年金を納めても、いつかもらえなくなるのではないか?
2.貯金問題。少し前に年金2,000万円不足問題というものがありました。定年前に貯金をしていても、人生百年時代と言われている現在、何歳まで生きるかもわからないですし、また最近の物価高騰で貯金の目減りが加速し、後期高齢者になる頃には貯金が底をつき、老後破産するのではないか?
3.仕事問題。家族から”定年後、家にずっといられても困るので働きに行ってほしい”と言われて、 シニアバイトを探す。しかしそこには警備、清掃、運送、軽作業という名の重労働位しか見つからない。せっかく定年で自由の身になれたのに、まだ拘束されてキツイ仕事をすることになるのか?
4.社会とのつながり問題。保育園、幼稚園から会社定年まで数十年間、どこかの組織に所属してきて、ある日突然どこの組織にも属さない人間になる。家と会社の中でだけ生きてきた自分の居場所ははたしてあるのだろうか?
5.健康問題。定年後、生活習慣病が悪化したり、がんなどで高額な医療費がかかったり、認知症のリスクも高くなる。だれが自分の事を面倒をみてくれ、お金はもつのだろうか?
なぜ、そう思うのか?親、テレビなどからの刷り込みを見直す
著名な精神分析学者のフロイトによると、人間の意識は、”大きな赤ちゃん”と呼ばれる潜在意識と”小さな大人”と呼ばれる理性(顕在意識)からできており、われわれのほとんどの行動は潜在意識に支配されているといいます。 潜在意識は脳が柔軟な6歳位までに形作られます。その際、一番影響を受けるのが子どもにとっての身近な存在、つまり両親なのだそうです。
また、大人になってからでも、たえず顕在意識に刷り込まれ続ければ、小さな大人が大きな潜在意識にまさる場合もあります。これはわれわれ世代にとってテレビCMなどの巧みな企業によるマーケティングによる影響などが大きいでしょう。 これらの観点から定年後の5つの不安を見ていきましょう。
1.年金破綻問題
これは金融商品等の勧誘の際、われわれの不安をあおるためにしばしば使われます。影響を受けるのは顕在意識の方ですね。年金は、たしかに現役世代の保険料(付加年金)も大きな比率を占めますが、以下の3つから原資が出ています。
- 現役世代の保険料~約半分
- 国庫負担(税金)~約半分
- GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の積立金 ~上記2つで足りない場合に供出
特に積立金は2000年代以降、債券や株式に年率1.7%を目標に運用されていますが、実際はそれをはるかに上回る3.8%の運用利回り。100年後に年金1年分の残高額を目指すという手固い運用です。 多少の年金減額は今後も続きますが、ある日突然、年金支給が破綻してなくなるということはなさそうです。
2.貯金不足問題
こちらは金融庁が2019年6月に”貯蓄から投資へ”という呼びかけの中で試算したもので 元会社員の夫65歳、妻60歳の2人世帯(持ち家)が30年間生きた場合 (年金などの実収入月額\209,000 -夫婦2人世帯の実支出月額\264,000)x 12か月x定年後30年 ≒-2000万円 不足するというもの。
私も親から”退職金なんてすぐなくなるよ”と無意識に刷り込まれて育ってきました。 お金の勉強を始める前の60歳時点では”2000万円も用意しても95歳以降に貯金が底をつくのか?”ととても不安でした。これも手順をおって調べていくと以下の思い込みからの産物という事がわかりました。
“金融庁は、国の役所だからすべてにおいて正しい”と思い込みで”うのみ”にするのではなく、 ①手間ですが年金定期便で自分がもらえるだろう将来の年金の確認 ②普段面倒でやりませんが会社の退職金制度の確認 ③家計管理アプリMoneyForwardで実際の自分の家計の支出状況の把握と将来の見込み をしていくことにより、自分の場合はいくら必要になるかの具体的なシミュレーションが可能になり 不安がなくなります。
次に”貯金は銀行にすべて預金しておけ”というバイアス。これは親からの刷り込みと自分が経験した、80年代当時の銀行の高金利とバブル期の証券投資、ゴルフ会員権暴落の失敗から来ています。
2025年4月現在のメガバンクの普通預金金利は0.2%と超低金利で、これでは預金元本を倍にするには360年間もかかります。なので貯金はほとんど増えませんし、昨今の日本の物価上昇が続けば、定年退職後に労働収入がなくなる局面では、貯金は減る一方です。一体いくら貯金が必要になるのでしょうか?
その問題に対して、投資先進国の米国では米国株式S&P500などに50%(平均リターン7%)、債券50%(平均リターン3%)で運用していれば、インフレ率を3%と想定しても、毎年総資産の4%ずつ取り崩していけば高い確率で資産が減らない、という“4%ルール”なるものが存在します。こちらは1990年代に米国トリニティ大学の研究者により提唱された”トリニティ・スタディ”という概念です。
私はこれを見た時にとても安心しました。つまり定年後に年間で不足が予測される額の25倍の資産があれば、まず安心して何歳でも生きられるという事です。
3.仕事継続問題(労働者マインド)
サラリーマンはずっと会社や取引先など家の外で仕事をしていますので、家族からは定年退職したら”ずっと家にいられても困るので少しは出かけて。年金だけでは足りないので仕事して”と言われます。そしてどこか自分を雇ってくれるところは無いかとハローワークなどで職を探す事になります。
定年退職された先輩方で、特に仕事をしなくても経済的には困らないだろうなという方々にお話を聞いてもマンションの管理人をやっていたり、趣味に関連するゴルフ場やゴルフ練習場でバイトをされているそうです。そしてどの職場でも程度の差こそあれ低賃金、重労働、パワハラやお局様への対応がありやめようか悩まれています。
この定年しても雇用され続けたいマインドは、私の場合、親からの刷り込みであったような気がします。”起業はリスクがあり失敗する確率が高い、だれかに雇われている方が安心”。と言われ、80年代学校卒業後は疑いもせずにサラリーマンになりました。
そして定年間近の60歳になり、そこには定年退職後はどんな仕事があるのかとシルバー向けのバイトサイトを探している自分がいました。探してみるとシニアでもできるのは介護、警備員、管理人、運転手、軽作業、、、あまりワクワクするような仕事がないのが現実です。
そんな中で”ビジネスエリートになるための教養としての投資”(奥野一成著)はまさに衝撃の一冊でした。産業革命以降、人類は資本家側と労働者側に別れ、社会はいかに良質な労働者をたくさん生み出すかというシステムになっている。
労働者は資本家と交わることなくずっと労働者だけの社会を生きて、資本家の世界で何が行われているかに気が付かず、ずっと搾取されつづける立場は変わらない。なのでまず労働者は、投資家になる事で労働者マインドから目覚めよう。と筆者は呼びかけています。
よく、テレビの景気に関するニュースを見ていると街角インタビューで、マイクを向けられたサラリーマンらしき人が”株価は上がっているのに給料は全然上がらない。景気のいい実感はありませんね”というコメントを目にします。
これはトマ・ピケティ氏が著した”21世紀の資本論”のr>gという、資本収益率rは経済成長率gを速く上回る場合、資本が労働所得よりも早く蓄積され、不平等が拡大する”という事を具体的に著しています。つまり投資家、資本家はもうかっているが、労働者の給料はそれほど上がっていない。という事です。このコメントは労働者の悲しい性(さが)の表れですね。
そこで私は、定年後フリーランスという立場を模索しています。それはかつての脱サラの失敗例としてよくあがる”初期費用をかけて喫茶店や手打ちそば屋を立ち上げ、家賃や人件費のリスクを背負いながら客の入りの心配をし続けていく”というものではありません。
いまはインターネットというインフラのおかげで、ビジネスを簡単に立ち上げることが可能になりました。自宅で初期費用はほとんどかけず、世界中からお客様を探せますし、YouTubeには無料で良質なビジネスの育て方の教材がたくさん転がっていますので勉強もできます。仕事もせどり、アフィリエイト、ブログ、webライターなどたくさんあり、自分に合わなければ撤退の損失は、ほとんどなく次のビジネスにチャレンジできます。
働く時間、場所に拘束されず、自分と合わない人と無理に仕事をしなくても、お金を稼ぐ事が可能な時代になりました。ITリテラシーの高くない私がどう試行錯誤しているかも今後のブログでぜひご覧ください。
4.社会とのつながりの問題
サラリーマンは、会社を中心に生活が回っているので、平日は会社、土日は同僚とゴルフやキャンプといった具合に過ごしているので、住居のある地元とのつながりはほとんどありません。そういう私も飼い犬の散歩は家族がほとんどやっていますので、たまに犬と散歩に出かけるとご近所では犬の方がはるかに有名で、”○○ちゃんのパパ”と言われたりします。
同じ会社の同僚は価値観も似ているので一緒に居て楽です。これは顕在意識の刷り込みです。 それにずっと安住してしまうと定年退職後には、同僚との関係もなくなり、家以外に居場所がなくなってしまいます。定年退職後の方のクチコミを見ていると”その方がわずらわしい人間関係がなくて気が楽”。という方も多いですが、一方で人と交流がないと認知症のリスクもあがるというデータもあるようです。
”精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法”(樺沢紫苑 著)の中では幸福を感じるのは以下の3つの脳内物質の順番と深く関連していると説明しています。 ①セロトニン的幸福;健康やリラックスによる安定した幸福 ②オキシトシン的幸福;人とのつながりや愛情による暖かい幸福。感謝や信頼関係を築く ③ドーパミン的幸福;成功や達成感による高揚感。
私も読書前のビジネス中心の考えであったので”幸福は③一択かな”と思っていました。たしかに体に不調があったり、家族や人間関係でトラブルがあるといくらビジネスなどで成功しても幸福とは思えないです。”定年後の社会とのつながり”は2番目に幸せになるための重要な事だったんですね。
私もなるべく会社外の人と交流するようにしています。40年来の付き合いであるゴルフ場のメンバーの友人、転勤先ではネットでメンバーを募集しているゴルフサークルへの入部、インターネットサロンのオフ会参加など。これらで出会う方々は、年代や職業はバラバラですが同じ趣味を持つ同志ですので、初対面でも話題にも事欠かず楽しい時間を過ごすことができます。
地元とのつながりは、退職後、町内会などに入ることになるので自然とできると気楽に考えています。”かすがい”となる犬もいますしね。
5.健康問題
厚生労働省の調査では日本人が一生の間に支払う医療費の半分は70歳以上でかかるといわれています。平均で男性2500万円、女性2800万円。更にがんになったら先進医療を受けると数百万円かかると聞きますし、介護状態になったら家族を巻き込んでしまうのだろうか?と不安は尽きません。
私も55歳頃からさまざまな老人病になり始め、治療を受けたり、親の大腿骨骨折と入院、老人ホームへの入所、実家の片付けなどをセットで経験してきました。その結果、意外となんとかなるという事がわかってきました。
- 国の手厚い医療保険、高額医療費制度、介護保険制度などにより自己負担が少なくても済む事。
- インプラントなどの治療は、自費診療になるが現役時代にやってしまえば確定申告で医療費控除が効く事。
- 老人ホームは初期費用も思っていたほど高額ではなく、貯金で何とかなり、月々の費用も厚生年金等で何とか支払える事
これらを事前に知って対策をする事により、いつの間にか刷り込まれた老後の医療費、介護費用不安で心配になり、費用対効果の低い、民間の保険に加入して老後資金を減らしてしまうといった事を避けることができます。このあたりの体験も今後ブログでお話していきます。
マトメ
われわれ、昭和生まれ世代のサラリーマンは、親やテレビなどの企業マーケティングの刷り込みを色濃く受け、潜在意識に刷り込まれています。顕在意識が目覚めてからも、お金に関する知識や自由な生き方は学校でも教えてくれません。そのため老後に対して漠然とした不安を感じ、それを気が付かなかったかのように心の底に抑え込んで定年退職を迎えます。
楽しい自由な定年後を迎えるためには、お金、仕事、社会とのつながり、健康に関する令和の新しい知識が必要です。私の試行錯誤が皆さまの参考になれば幸いです。
定年後の準備は第2の人生へのプレゼント。さあ始めましょう!

定年準備中の64歳サラリーマン。
実体験をもとに、定年後のお金・健康・暮らしについて発信しています。 同じ立場の方が、少し楽になるヒントを届けたい。

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